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ミドル世代がめきめき体力をつける方法|疲れを吹き飛ばそう!
更新日:2025-12-04

ミドル世代がめきめき体力をつける方法|疲れを吹き飛ばそう!

ダンベルを使ったトレーニング

「最近疲れやすい」「昔のように動けない」「休んでも疲れが取れない」

そんな身体の変化を感じていませんか?年齢を重ねると、心身の変化によって体力は衰えやすくなります。

加齢による体力の衰えは、防ぎようがないと思われがちです。しかし、生活習慣を見直すことで体力を維持することは可能です。

この記事では体力の衰えが起こりやすい年代や、ミドル世代が体力をつける方法、回復のためのポイントを解説します。

体力の衰えとは?シーン別に解説

体力の衰えはなぜ起こるのでしょうか。

体力の低下は、主に加齢に伴う心肺機能の低下・筋力の低下・身体活動量の減少・生活習慣の影響によって引き起こされます。

ここではそもそも体力とは何かを解説し、さらに体力の衰えを感じやすい具体的なシーンを紹介します。

体力とは

文部科学省の定義によると、体力は「運動をするための体力」と「健康に生活するための体力」の二つに分けられます1

「運動をするための体力」は、学校の体力テストで測定されるような瞬発力・持久力・柔軟性など、運動を行うための基礎的な身体能力を指します。

一方、「健康に生活するための体力」は、身体の健康を維持し、病気にかかりにくくするための体力です。これは、感染症などの病気に対する抵抗力ととらえることができます。

体力の衰えを感じやすいシーン

体力の衰えは、日常生活のさまざまな場面で実感することが少なくありません。

例えば、「歩くスピードが遅くなった」「すっと立ち上がれなくなった」「階段や坂道を登るのがつらくなった」といった変化が挙げられます。

これらは、加齢に伴う瞬発力・筋力・持久力の低下が原因であり、中高年以降では多くの方が実感しているのではないでしょうか。

特に、若いときは簡単にできていたことが年齢とともに難しくなってきた場合、加齢による身体機能の低下が原因である可能性が高いといえます。

また、身体的な衰えに加えて、しっかり寝たのに疲れがとれない・疲れていても夜に眠れないといった回復力の低下も、体力の衰えとして実感しやすい現象です。

このように、体力の衰えは加齢とともに心身のさまざまな変化として現れ、生活の質を低下させてしまう可能性があります。

体力の衰えを感じ始める年代

スポーツ庁の調査によると、「運動不足を感じるか」という問いに対し「大いに感じる」と答えた割合は、男女ともに30歳~50歳代が高い傾向にあります2

特に女性の30歳~40歳代では、2人に1人が「大いに感じる」と答えており、男性よりも運動不足を感じている割合が高い傾向です2

また、国内で実施されている体力測定の結果では、身体機能は20歳を過ぎると加齢に伴って直線的に低下するとされています3

身体機能と体力は密接に関係しているため、30歳代から体力の衰えを自覚し始め、40歳~50歳代でより顕著になると考えられるでしょう。

ミドル世代が即実践できる!体力をつける方法

体力の衰えはミドル世代から自覚し始めることが多いようです。では、この体力の低下を防ぐ方法はないのでしょうか。

実は、運動・食事・休息の取り方などの生活習慣を見直すことで、ミドル世代でも体力を維持・向上させることが可能です。

ここからは、生活習慣を改善する具体的な方法を紹介します。

即実践!体力をつける方法【運動編】

体力をつける方法としてはじめに思い浮かぶのは、運動習慣をつけることではないでしょうか。実際、運動は筋力・持久力・柔軟性などの身体機能を高めるうえでとても大切です。

スポーツ庁の調査でも、体力に自信がある方ほど「毎日、もしくはときどき運動をしている」と答えた割合が高いとされています4

運動には、軽めの強度で長く続けることができる有酸素運動と、短時間で強度の高い無酸素運動(筋力トレーニング)の2種類があります。体力をつけるには、これらをバランスよく取り入れることが効果的です5

主な有酸素運動には、ウォーキングやランニング、水泳などが挙げられます。息が弾み、汗をかく程度以上の運動を週に60分以上行うようにしましょう。

一方、筋力トレーニングには、スクワット・腕立て伏せ・腹筋運動やダンベルを使ったトレーニングなどがあります。これらは有酸素運動よりも強度が高いため、週2~3回の運動が勧められています5

毎日こつこつ体力をつける方法【食事編】

運動をしっかり行っていても、適切に栄養を摂取しなければ体力を効率よく向上させることはできません。

特に糖質の摂取はとても大切です。食事に含まれる糖質は筋肉にグリコーゲンとして貯蔵され、運動時のエネルギー源となります。

しかし、糖質の摂取量が不足すると十分なグリコーゲンを蓄えることができず、筋力を発揮しづらくなり体力が低下します6

午前中から疲れを感じやすい人は、朝食に摂取する糖質が不足している可能性があります。朝から米やパンなどの糖質を適切に摂取しましょう。

また、体力低下の原因となる貧血を予防することも大切です。貧血の原因はさまざまですが、鉄欠乏性貧血の場合は鉄分とタンパク質の摂取が重要です。さらに、ビタミンB12や葉酸の摂取も貧血予防の助けになります6

<糖質・鉄分・タンパク質・ビタミンB12・葉酸を多く含む食品の例>

糖質

米、麺、パン類など

鉄分

レバー、牛肉(赤身)ほうれん草など

タンパク質

ささみ、卵、油揚げなど

ビタミンB12

しじみ、レバー、あさり、はまぐりなど

葉酸

ブロッコリー、えだまめ(ゆで)など

(文献7〜10を参考に作成)

しっかり休んで体力をつける方法【休息編】

体力をしっかり回復させるためには、適切に休息をとることも大切です。特に睡眠は、日中の活動で消耗した体力を回復させる重要な役割を担っています。

また、睡眠不足は感染症のリスクも高めることがあるため、十分な睡眠時間をとることも必要です11

適正な睡眠時間には個人差がありますが、6~8時間程度を目安に、必要な睡眠時間を確保することが推奨されています12

以下に良質な睡眠をとるためのポイントを紹介します12

  • ・日中にできるだけ日光を浴びる
    ・寝室にスマートフォンやタブレット端末を持ち込まない
    できるだけ暗くして寝る
    ・寝室は適温に保つ
    ・就寝1~2時間前に入浴する
    ・リラックスできる寝衣や寝具を使う

睡眠には個人差があるため、ご自身に合った快適な睡眠環境を整えていきましょう。

疲れを感じたときに試したい疲労回復メソッド

疲労を感じた時に、試したい疲労回復法を紹介します。

まずは入浴です。

入浴は安静時の交感神経活動および心拍数を低下させます13。交感神経活動の低下に伴い、副交感神経という自律神経が活性化することで、リラクゼーション効果を期待することができます。このとき、お湯の温度は熱すぎないように注意しましょう。

また、疲労には精神的な疲労もあります。この精神的な疲労は対策が難しく、身体を休めてもなかなか疲れがとれないと感じることも少なくないでしょう。

そのようなときは、気の置けない人と話す・趣味に没頭する・自然に触れるなど、心が安らぐことに時間を使うことが必要かもしれません。

疲れの原因を取り除くという意味では、有給休暇を取得して仕事から離れる・苦手な人から距離を置く、なども精神的な疲労回復の一助となるでしょう。

まとめ

体力は運動をするためだけではなく、健康を保つためにも、衰えないように維持することが大切です。

ミドル世代は体力の衰えを自覚しやすい時期ですが、生活習慣を見直し、疲労を適切に解消することで体力低下を予防できる可能性があります。

ご自身の生活環境を見直し、体力の維持・向上を目指して取り組んでいきましょう。

参考文献


1, 文部科学省:子どもの体力向上のための総合的な方策について(答申).[https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/021001a.htm#g0202](最終閲覧日:2025年11月17日)
2, スポーツ庁:調査結果の概要. 令和6年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」(令和6年11月調査). p.2.[https://www.mext.go.jp/sports/content/250424-spt_kensport01-000040805_04.pdf](最終閲覧日:2025年11月17日)
3, スポーツ庁:調査結果の概要. 令和5年度体力・運動能力調査結果の概要及び報告書について. p.8.[https://www.mext.go.jp/sports/content/241003-spt_kensport01-000038306_5.pdf](最終閲覧日:2025年11月17日)
4, スポーツ庁:調査結果の概要. 令和5年度体力・運動能力調査結果の概要及び報告書について. p.44.[https://www.mext.go.jp/sports/content/241003-spt_kensport01-000038306_5.pdf](最終閲覧日:2025年11月17日)
5, 厚生労働省:健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023(概要).[https://www.mhlw.go.jp/content/001204942.pdf](最終閲覧日:2025年11月17日)
6, 若林秀隆:栄養と運動耐容能. Jpn J Rehabil Med 2022;59:40-46.
7,公益財団法人長寿科学振興財団:ミネラル成分の鉄分の働きと1日の摂取量. 健康長寿ネット.[https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-tetsu.html](最終閲覧日:最終閲覧日:2025年11月17日)
8, 公益財団法人長寿科学振興財団:三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量. 健康長寿ネット.[https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/tanpaku-amino.html](最終閲覧日:2025年11月17日)
9, 公益財団法人長寿科学振興財団:ビタミンB6/B12の働きと1日の摂取量. 健康長寿ネット.[https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-b6.html](最終閲覧日:2025年11月17日)
10, 公益財団法人長寿科学振興財団:葉酸の働きと1日の摂取量. 健康長寿ネット.[https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-yousan-biotin.html](最終閲覧日:2025年11月17日)
11, Prather AA, et al: Behaviorally Assessed Sleep and Susceptibility to the Common Cold. Sleep. 2015;38(9):1353-9.
12, 厚生労働省: 健康づくりのための睡眠ガイド2023. p.11.[https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf](最終閲覧日:2025年11月17日)
13,Cui J, et al: Repeated warm water baths decrease sympathetic activity in humans. J Appl Physiol (1985). 2022;133(1):234-45.

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