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お風呂上がりのストレッチで期待できる4つのこと【リラックスと睡眠の質の向上】
更新日:2025-07-29

お風呂上がりのストレッチで期待できる4つのこと【リラックスと睡眠の質の向上】

お風呂上がりのストレッチで期待できる4つのこと【リラックスと睡眠の質の向上】

「最近なんだか疲れやすい」「朝起きたときに身体がだるい」そんなお悩みはありませんか?

 40代を過ぎると、年齢とともに筋肉や関節の柔軟性が低下しやすくなり、心身の疲れが抜けにくくなるものです。このような不調は、血行不良や身体のこわばりが原因かもしれません。そこで、お風呂上がりのストレッチをおすすめします。

入浴で冷えた身体を入浴で芯から温めることで、血行を促進して疲労をやわらげ、入浴後のストレッチは筋肉の緊張をほぐし、リラックスと睡眠の質の向上につながるでしょう。

この記事では、このような入浴とストレッチの組み合わせによって、どのようなメリットがあるのか、お風呂上がりにぴったりなストレッチの方法についても紹介します。

お風呂上がりのストレッチをおすすめする理由

入浴直後は汗をかきたくないと思われる方もいるかもしれませんが、お風呂上がりにストレッチをすることで血行が促進され疲労回復につながったり、柔軟性が向上してケガの予防にもなったり、睡眠の質、むくみや冷えの改善などにもいい影響があると考えられます。

ストレッチには「動的ストレッチ」と「静的ストレッチ」の2種類があります1

動的ストレッチは、関節を繰り返し動かして筋肉の伸張と収縮を繰り返す積極的な動作が特徴的です。一方、静的ストレッチは関節を動かして目的の筋肉をゆっくりと伸ばし、自分やパートナーの力、または床などを使って適度に伸ばしたところで、関節の角度を保った状態で筋肉を伸張させる静かな動作が特徴的です。

お風呂で汗を流した後のストレッチであれば、ゆっくりとした静的ストレッチがぴったりかもしれません。お風呂上がりにストレッチすることで得られる、4つの期待できるメリットについて以下で紹介します。

血行促進による疲労の回復

お風呂で身体を温めることで末梢の血管が拡張され2、血流が良くなります。この状態でストレッチを行うと、さらに血液の循環が促進されます。これにより、筋肉のコリが和らぎ、疲労の回復につながると考えられます。

身体の柔軟性を向上させてケガを予防する

身体が温まっている時は、筋肉や腱、靭帯などの組織が柔らかくなります。この状態でストレッチを行うことで、普段よりも深く身体を伸ばすことができ、柔軟性の向上につながります。

身体が硬い状態で急な運動を行うと、筋肉や関節に負担をかけることになり、ケガのリスクを高めてしまいます。日頃からお風呂上がりにストレッチを行い、身体の柔軟性を高めておくことで、普段の生活や運動時に起こる筋肉の損傷や関節のトラブルなどのケガの予防の一助になるでしょう。

リラックスと睡眠の質の向上

お風呂で温まった身体でストレッチを行うことで、心身の緊張がほぐれ、寝つきが良くなったり、睡眠の質が向上につながるでしょう。

静的ストレッチの開始時は、筋肉の伸張で副交感神経の活動が弱まり、一時的に脈拍数が増えます。そして、筋肉の伸張が中枢性に作用し、リラクセーション効果をもたらす可能性が報告されています3

むくみや冷えの改善

お風呂上がりストレッチによって血行が促進されると、体内の余分な水分や老廃物の排出を効率よくし、足や顔などのむくみの軽減を期待できるでしょう。そして、全身の血流が良くなることで、手足の冷え性の改善にもつながります。

継続できる!お風呂上がりの簡単ストレッチ

血行促進、ダイエット、肩こり・腰痛、美肌、安眠などの目的に合わせたお風呂上がりのストレッチの方法について紹介します。いずれも簡単にでき、続けやすいものばかりです。

血行促進のための簡単ストレッチ

血行促進のためのストレッチや日々の新陳代謝を上げるための体幹の胸、腹、腰回りの筋肉を伸ばすストレッチを紹介します。

お尻と太ももの裏側伸ばし(仰向け)
血行をよくするには、大きなお尻と太もも裏の筋肉(ハムストリング)のストレッチが特におすすめです。

仰向けに寝て、片方の膝を曲げて胸に引き寄せ、両手で抱えます。次に、足裏が天井方向に向くように抱えた膝をゆっくり伸ばすと、太ももの裏側が伸びるのを感じます。

足首回し
血流が悪くなりやすい足首の運動を行うことで足先から血流をよくします。椅子または床に座った状態で、膝を曲げ片足を身体に引き寄せ、足首をゆっくりと大きく回します。内回し、外回し、それぞれ数回ずつ行います。

身体伸ばし(座位または立位)
楽な姿勢で座る、または、立ちます。右腕を伸ばし、ゆっくりと真上に上げ、息を吐きながら左側に体を倒していきます。右の脇腹から骨盤にかけて、体側が心地よく伸びるのを感じましょう。視線は天井方向に向けます。反対側も同様に行います。
※椅子に座って行う場合は、片方の手で椅子の座面を掴むと安定します。

ツイスト(座位)
両膝を立てて床に座ります。背筋を伸ばし、息を吐きながら上半身をゆっくりと右にひねります。左手で右膝を抑え、右手は体の後ろに置くと安定します。目線は肩越しに後ろに向けます。反対側も同様に行います。

肩こり・腰痛改善のための簡単ストレッチ

肩の上げ下げ&回し
肩甲骨まわりの筋肉をストレッチし、肩こりの改善を目指します。

楽な姿勢で座ります。息を吸いながら、両肩を耳に近づけるようにぐーっと持ち上げます。息を吐きながら、ストンと力を抜いて肩を下ろします。

これを数回繰り返します。次に、両肩を大きく前回し、後ろ回しをそれぞれ5~10回程度行います。肩甲骨が動いているのを意識しましょう。

お尻と股関節のストレッチ(仰向け)
腰痛の原因となるお尻や股関節の硬さを改善するストレッチを紹介します。

仰向けに寝て、両膝を立てます。右足首を左膝の上に乗せます(数字の「4」の形を作る)。左膝を曲げ、左太ももの裏を両手で抱え込み、ゆっくりと胸に引き寄せます。右のお尻から太ももの外側、股関節にかけて伸びるのを感じましょう。反対側も同様に行います。

美肌のための簡単ストレッチ

肌が露出しやすい首、鎖骨まわりの筋肉のストレッチを紹介します。

首の横伸ばし
楽な姿勢で座るか立ちます。右手を上から通し、頭の左側を軽く押さえ、右側に反りながらゆっくりと頭を倒します。左の首筋から肩にかけて、心地よい伸びを感じましょう。首のリンパの流れを意識します。反対側も同様に行います。

鎖骨のストレッチ
右手を鎖骨の上に置き、鎖骨を軽く下に押さえます。そのまま左側に首を傾け、顎を少し上に向けると、首から鎖骨にかけてのラインが伸びます。鎖骨周りのリンパ節を刺激します。反対側も同様に行います。

安眠のための簡単ストレッチ

身体がリラックスできる呼吸を意識した胸まわりの筋肉のストレッチを紹介します。

胸を開くストレッチ(仰向け)
仰向けに寝て、両腕を体の横に広げ、手のひらを天井に向けます。ゆっくりと深呼吸を繰り返します。胸が開き、肺にたっぷりの空気が入ってくるのを感じましょう。両腕を頭の上に伸ばし、軽く手のひらを合わせて伸びるようにしても良いでしょう。

合掌のポーズ(座位)
楽な姿勢で座り、両手を胸の前で合わせます(合掌)。そのままゆっくりと息を吸いながら、両肘を伸ばしながら、両腕を広げ、胸を開きます。息を吐きながら合掌の元の状態に戻ります。数回繰り返します。

柔軟性アップのための簡単ストレッチ

硬くなりやすい背中と太ももの内側、裏側のストレッチを紹介します。

キャット&カウ(四つん這い)
四つん這いの姿勢で息を吐きながら背中をゆっくりと丸め、おへそを覗き込むようにします。肩甲骨の間を広げた状態を意識しましょう。
息を吸いながらゆっくりと背中を反らせ、お腹を床に近づけるようにします。視線は少し上に向けます。
この2つの動きを呼吸に合わせて数回繰り返し、背骨全体の柔軟性を高めます。

股関節開脚ストレッチ(座位)
床に座り、両足を大きく開きます。つま先は天井に向け、膝はまっすぐに保ちます。息を吐きながら、背筋を伸ばしたまま、ゆっくりと上半身を前に倒していきます。股関節の内側や太ももの裏側が伸びるのを感じることができます。無理のない範囲で行うようにしましょう。

お風呂上がりのストレッチで気をつけること

お風呂上がりのストレッチについて、2つ気をつけてほしいことがあります。

無理な伸展は避ける
身体が温まっていると、普段よりも筋肉が伸びやすい状態になっています。しかし、無理に限界以上に伸ばそうとすると、かえって筋肉や腱、関節を傷めてしまう原因になります。身体が温まっている時こそ、「十分に伸びて気持ちが良い」と感じる程度で止め、決して痛みを感じるまで伸ばさないようにしましょう。


水分補給を怠らない
入浴中は汗をかくため、体内の水分が失われています。ストレッチ中には汗をかかなくても、脱水状態などに気をつけるべきです。ストレッチの前後には、コップ一杯程度の水や白湯などを補給し、水分不足にならないようにしましょう。

まとめ|お風呂上がりのストレッチで期待できる4つのこと【リラックスと睡眠の質の向上】

お風呂上がりのストレッチには血行促進、柔軟性向上、リラクセーション効果など、心身に多くのメリットをもたらすことが期待できます。

毎日のストレッチが、しなやかで疲れにくい身体づくりにつながります。体調や年齢による変化などに合わせた目的も意識しながら、無理なく、心地よく、続けていきましょう。

(参考文献)

1, 山本忠志, 他:静的及び動的ストレッチングによる筋力発揮への影響について. 兵庫教育大字研究紀要.2013;42:53-7.

2, Tei C, et al:Acute hemodynamic improvement by thermal vasodilation in congestive heart failure. Circulation. 1995;91:2582–90.

3, 酒井吉仁 ,他;静的ストレッチングにおけるリラクセーションをもたらす伸張感性と筋スティフネスの関係. 理学療法科学. 2014;29(3):399-403.

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