忙しく過ぎていく毎日のなかで、「何か新しいことを始めてみたい」「夢中になれる何かが欲しい」と思うことはありませんか。
大人になった今だからこそ、自分に合った趣味を見つけられる可能性があります。そして、趣味を始めることは、今後の人生にもっと鮮やかな彩りを与えてくれるかもしれません。
今回は大人が趣味を始めるメリットや、趣味を始めたい方へのエッセンス、アウトドア派・インドア派などタイプ別のおすすめの趣味をご紹介します。
ストレス解消や健康維持にも!趣味はメリット盛りだくさん
趣味がなくても充実した日々を過ごしていると思う方もいるかもしれません。
しかし、趣味を持つことは、ストレスの軽減につながる可能性があります。ここでは、大人が趣味を持つメリットや、良い影響について解説します。
余暇活動への参加は心の健康を維持する力を養う
趣味を持つことそのものが人生を楽しくするのはもちろんですが、趣味や余暇活動は心・精神の安定にもつながります。
実際に多くの趣味や余暇活動に参加することが、レジリエンス(困難やストレスの多い状況、病気、災害といった厳しい出来事に直面したときに、心の健康を保ちながら立ち直る力)を養うことに役立ち、レジリエンスを通じて抑うつ症状を軽減するという報告があります。
また、レジリエンスはCOVID-19パンデミック(コロナ禍)のような深刻な状況においても、人々をストレスから守る働きをする可能性があるとも言われています1。
大人の趣味が将来にもたらす良い影響
趣味は、身体にもよい影響を与えてくれる可能性もあります。
複数の「楽しい活動」に参加することと、心理的および生理的機能の向上の関係を調査した研究では、レジャー活動への参加が多い人ほど、血圧、コルチゾール量(ストレスに対処するホルモン)、BMI、ウエスト周囲いずれも低下し、身体機能の向上を自覚していることがわかりました2。
趣味やレジャーなど余暇を楽しむ活動は、精神だけでなく身体にもよい影響があると言えそうです。
また、東京都健康長寿医療センター(平成30年(2018年)7月27日)の調査では、高齢者の孤立と死亡リスクの関係についても報告されています。
同居家族以外との交流頻度が週1回未満で、かつ、外出する頻度が2~3日に1回程度以下の閉じこもり傾向にある高齢者では、閉じこもり傾向のない高齢者に比べて6年後の死亡率が2.2倍高くなる3、という内容です。
趣味を通じて様々なコミュニティに参加し、家族以外の人と関わる機会を持つことが長生きにつながるかもしれませんね。
大人のための趣味の探し方・見つけ方
いざ「趣味を始めてみよう」と思っても、実際にどうやって趣味を探せばよいか迷ってしまう方もいるかもしれません。
ここでは、大人が趣味を見つけるための4つのステップをご紹介します。
1.まずは趣味の種類を知る
令和3年の総務省の社会生活基本調査4で紹介されていた趣味・娯楽を一部ご紹介します。
- ・園芸・庭いじり・ガーデニング
・写真の撮影・プリント
・趣味としての料理・菓子作り
・遊園地、動植物園、水族館、美術館などの見物
・スポーツ観覧・観戦
・カラオケ
・キャンプ
・コンサートなどによる音楽鑑賞
・和裁・洋裁
これ以外にもスマートフォンを使ったゲームや音楽鑑賞なども挙げられていましたが、人との関わり合いがありそうなものを中心に取り組んでみるとよいでしょう。
「趣味」「サークル」「ミドル(もしくはシニア)」などのキーワードでウェブ検索をしてみるのも一手です。
2.とりあえず試してみる
気になる趣味が見つかったら、今度は実際に体験してみましょう。
道具が必要な趣味であれば、最初はレンタルから始めてみてもよいでしょう。
初期費用を抑えることができれば、お試しで趣味を始めやすくなります。
3.教室に体験入会してみる
また、習い事や教室は、新規会員向けに体験レッスンを開いていることも多いです。
「ピアノ 教室」「フラダンス 体験」などのワードで検索をすると趣味の教室をまとめたサイトが出ることもあります。
地域名を入れると地元の教室を探しやすいですよ。体験入会であれば初期費用も抑えられ、自分の趣向と合うかどうかを試すことができるので積極的に利用してみましょう。
4.趣味仲間を探す
気になる趣味が見つかったら、同じ趣味の仲間を探すのもよい方法です。知り合いがしている趣味であれば、やり方を教えてもらえるなどの利点もあります。
また、公民館やカルチャーセンターの活動などであれば、同じ地域の仲間を探すこともでき、一緒に趣味を楽しむだけでなく、食事やショッピングなど、一緒に過ごす時間が増えたり、新しい友人とつながったり、生活の幅が広がるかもしれませんよ。
大人がハマれるおすすめの趣味
どんな趣味から始めたらよいのかわからない方には、インドア・アウトドア、自分のタイプに合わせて始めてみるのもよいでしょう。
ここでは、インドア・アウトドア、それぞれタイプ別に趣味を紹介します。
アウトドア派におすすめの趣味
アウトドア派の方には、ハイキングやトレッキング、キャンプ、グランピング、バードウォッチングなどがおすすめです。
一見、地理的・体力的なハードルが高く見えるアウトドアの趣味ですが、まずは日帰りや観光客向けのサポートの多いものから始めてみてもよいかもしれません。
都心部からの日帰り登山で人気の高尾山は、世代ごとの利用客の集計では60歳代が最も多く25%近くに達し、その多くは家族や友人との利用が多いという報告があります5。
また、関西にあり世界遺産の1つでもある熊野古道は、来訪者の年代で一番多いのは50歳代で33%に達するという統計もあります6。
このように、アウトドアの趣味には、年齢に関係なく始められるものもあります。加えて、これらのスポットはリピーターも多いため、訪問する度に新しい魅力が見つかるのかもしれません。
インドア派におすすめの趣味
インドア派におすすめの趣味には、多種多様なものがあります。読書や映画鑑賞、ミュージカルなど観劇のほか、楽器演奏やブログ運営、エッセイ執筆に挑戦してもよいでしょう。
趣味の多くは、オンライン講座やYouTubeなど、参考になる教材が豊富にあります。
無料でも優れた教材が多数あるので活用してみましょう。
理系におすすめの趣味
知的好奇心や、集中力や探究心の強い理系の方におすすめの趣味もあります。
天体観測や写真、プラモデル制作、囲碁・将棋などのボードゲームがその代表です。
プラモデルの制作は、種類によっては愛好家同士の展示会があったり、囲碁や将棋などのボードゲームは地域にコミュニティがあることもあります。
文系におすすめの趣味
文系の方におすすめの趣味は、俳句や詩作、書道、水彩画など芸術・アートを趣味にしてはいかがでしょうか。
自治体によっては市民芸術祭などもあるので、出品して他の人の目に触れる機会を持ったり、他の出品者の作品を鑑賞してインスピレーションを受けることも楽しむ方法の1つです。
実益につながるおすすめの趣味
実益につながる一石二鳥の趣味もあります。
家庭菜園などがその1つです。自宅で作った野菜が食卓に並ぶと、また違った味わいを楽しめるかもしれませんね。
また、自宅に十分な空間がなくても、都市農地センターなどを利用する方法もあります。都市農地や農業の多様な機能を発揮したまちづくり計画7もあり、そのような活動のレクリエーションや食育を参考にすると、もっと健やかな生活を送るためのヒントを得られるかもしれません。
ピンとくる趣味がないときはどうすればよい?
また、「これだ!と思える趣味が見つからない」と感じている方は、もしかすると興味を持てることにまだ出会えていないだけかもしれません。
そんなときには、下記のような発見の場を作ってみるとよいでしょう。
- ・YouTubeやSNSで他の人の投稿や活動をチェックしてみる
・図書館や書店で様々な書籍を手にしてみる
・博物館や水族館などの特別展示をチェックしてみる
・地域センターやコミュニティに顔を出してみる
その時点では興味が持てなくとも、足を運んだり手にとって見たりすることで興味がわいてくるかもしれませんよ。
まとめ
趣味は日々の暮らしを彩り、心を満たしてくれる大切な存在です。また、人との交流の輪を広げ、将来の健康にもつながる、人生を豊かにしてくれる存在でもあります。
「何から始めればいいのか分からない」という方は、まずは無料の体験会やレッスンに参加してみるのもおすすめです。
年齢を重ねた今だからこそ、自分のペースで楽しめる趣味を見つけてみませんか?日々のなかに、小さなよろこびや充実感を育てていくことで、暮らしはより豊かなものへと変わる可能性に満ちあふれています。



