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タンパク質が多い食べ物とは?年齢別の目標摂取量やおすすめのメニューを紹介します
更新日:2025-07-31

タンパク質が多い食べ物とは?年齢別の目標摂取量やおすすめのメニューを紹介します

タンパク質が多い食べ物とは?年齢別の目標摂取量やおすすめのメニューを紹介します


「最近、お肉を食べると身体が重たく感じる」そんな実感はありませんか?

年齢とともに食の好みや体調は変化します。特に40歳を過ぎると「若い頃は平気だったのに」と感じる場面も増えてきます。

この記事で触れるタンパク質は、筋肉や肌、内臓など、身体を構成する基礎となる栄養素で、どの年齢の方にも必要不可欠なものです。タンパク質はしっかり摂れているか、毎日の食事を見直していきましょう。

タンパク質の役割と意識して摂りたい方の特徴

タンパク質は、健康を保つために欠かせない重要な栄養素ですが、身体にどのような役割を果たしているのでしょうか。
ここではタンパク質の主な働きや、どのような方が特に意識して摂取すべきなのかを解説します。

タンパク質の役割

食物から摂取したタンパク質はアミノ酸へと分解され、体内に吸収されます。そして、身体にとって必要なタンパク質を「設計図」である遺伝子をもとに合成します。

タンパク質は、筋肉・骨・皮膚・臓器などの身体を構成する材料です。また、消化酵素やインスリンなどの身体を維持するホルモンを構成します。さらに、免疫機能とも関わったり、栄養や酵素の運搬、細胞修復などの代謝の調節をしたりします。

積極的にタンパク質を摂取すべきなのはどんな方?

成長期の子ども・思春期の若者、高齢の方(特に65歳以上)、妊娠・授乳中の女性、筋トレ・運動習慣のある方、病気や手術の回復期の方、ダイエット中の方は、特に意識してタンパク質を摂取した方が良いでしょう。

ただし、以下の2項目のうち1つでも当てはまる場合、過剰なタンパク質の摂取は避けるようにしましょう。

・腎機能の低下がある方:慢性腎臓病などにおいて、過剰なタンパク質摂取は腎障害進行に影響する尿毒症毒素の産生を亢進させるため1

・肝疾患のある方:肝硬変などにおいて、タンパク質の代謝異常により脳症を悪化させたり、急性肝不全などにおいて、尿素回路の障害によりアンモニアの上昇や脳浮腫を増悪させるため2

タンパク質の摂取量と健康の関係

乳児、小児、成人、妊婦や授乳婦それぞれが成長や健康維持のために、必要なタンパク質の推定摂取量が設定されています3

そのなかでも特に、タンパク質摂取量と健康の関係に注目されているのが、高齢者におけるフレイルとサルコペニアという病態です3

※フレイル:加齢に伴う恒常性・生理的予備能の低下により,ストレスに対する脆弱性が亢進した状態4
※サルコペニア:加齢に伴う骨格筋量の低下に歩行速度・握力等の身体機能の低下が合併した病態4

高齢になるとさまざまな要因により食欲不振から体重が減少し、低栄養状態となることが少なくありません。低栄養はフレイルを招く重要な因子です。

転倒予防や介護予防の観点からも、筋肉量を維持し体重を減少させないために、特にタンパク質の摂取が重要と言われています5

また、サルコペニアのある高齢者は、非サルコペニアの高齢者に比べてタンパク質の摂取量が少ないという報告6もあります。

年齢を重ねるにつれて、フレイルに該当する症状がみられる場合は、意識的にタンパク質を摂取するようにすると、健康な身体の維持につながるでしょう。

年齢ごとのタンパク質の必要量と目標量は?

身体に必要なタンパク質は、どのくらい摂取すればいいのでしょうか?
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、1日あたりの目安量は、18歳以上の男性では50g、女性では40gです。 

成人のタンパク質食事摂取基準3

性別

男性

女性

年齢等

(歳)

推定平均必要量

(g/日)

推奨量

(g/日)

目標量(%エネルギー)

推定平均必要量

(g/日)

推奨量

(g/日)

目標量

(%エネルギー)

18~29

50

65

13~20

40

50

13~20

30~49

50

65

13~20

40

50

13~20

50~64

50

65

14~20

40

50

14~20

65~74

50

60

15~20

40

50

15~20

75~

50

60

15~20

40

50

15~20

※文献3を参考に作成
※65歳以上の高齢者について、フレイル予防を目的とした量を定めることは難しいが、体格が小さい、活動量が低下したなどで必要エネルギー摂取量が低い場合でも推奨量以上は摂取することが望ましい

この表によると、成人以降の場合、推定平均必要量は全く変化がないものの、高齢男性は推奨量がやや減少します。一方で、1日に摂取するエネルギーに占めるタンパク質の目標割合の最低限は、男女ともに年齢を重ねるとともに増加傾向を示しています。

ほかにも、この基準ではタンパク質の摂取には一旦上限を設けないとされています3。タンパク質摂取量の上限について、腎機能に問題がない・肝疾患がない場合に限り、摂取量の上限に神経質になることなく、積極的にタンパク質を摂取するようにしましょう。

タンパク質が多い食べ物ランキング

タンパク質が多いのは、どのような食品なのか気になりますよね。ここでは、文部科学省の「食品成分データベース」に基づいて、身近な肉類、魚介類、乳製品、大豆製品をランキング形式でご紹介します。

タンパク質が多い肉類ランキング

タンパク質が多く含まれている肉類には、豚のヒレ肉、鶏のむね肉・ささみなどがあります。

例えば、とんかつを食べたいときは豚のヒレカツにする、サラダに鶏のむね肉を加えてみるなどをすると良いでしょう。

タンパク質が多い主要な肉類のランキング6

食品名

100gあたりのタンパク質(g)

豚(ヒレ/赤肉/焼き)

39.3

鶏(むね/皮なし/焼き)

38.8

鶏(ささみ/ソテー)

36.1

鶏(むね/皮つき/焼き)

34.7

鶏(ささみ/焼き)

31.7

※文献6を参考に作成
※加工品は除く

タンパク質の多い魚介類ランキング

タンパク質が多く含まれている魚介類には、ごまさば、くろまぐろなどがあります。

このほかにも、あじやまぐろなど日常的によく目にする魚介類も上位に入っているため、主菜として取り入れやすいでしょう。

タンパク質が多い主要な魚介類ランキング6

食品名

100gあたりのタンパク質(g)

ごまさば(焼き)

31.1

くろまぐろ(養殖/赤身/電子レンジ調理)

30.4

むろあじ(焼き)

29.7

しろさけ(焼き)

29.1

くろまぐろ(養殖/赤身/焼き)

29.0

※文献6を参考に作成
※加工品は除く

タンパク質の多い乳製品ランキング

乳製品も、タンパク質が多く含まれている食品です。上位のほとんどがチーズ類で占められています。100gあたりのタンパク質が、ヨーグルトが4g、牛乳が3.3gであることと比較すると、チーズ類はタンパク質の割合がとても高いと言えます。

サラダのトッピングにチーズを加えるなどをすると、効率よくタンパク質を摂取できます。

タンパク質が多い主要な乳製品ランキング6

食品名

100gあたりのタンパク質(g)

パルメザンチーズ(ナチュラルチーズ)

44.0

脱脂粉乳

34.0

ゴーダチーズ(ナチュラルチーズ)

25.8

プロセスチーズ

22.7

カマンベールチーズ(ナチュラルチーズ)

19.1

※文献6を参考に作成

タンパク質の多い大豆製品ランキング

大豆製品も、タンパク質が多く含まれている食品です。食卓に並ぶことも多い絹ごし豆腐は100gあたり5.3gです。

普段のメニューに加えて、冷ややっこなどの副菜にしたり、味噌汁などに加えてもよいかもしれません。

タンパク質が多い主要な大豆製品ランキング6

食品名

100gあたりのタンパク質(g)

凍り豆腐(乾)

50.5

油揚げ(油抜き/焼き)

24.9

そらまめ(フライビーンズ)

24.7

あずき(あん/さらしあん/乾燥あん)

23.5

油揚げ(生)

23.4

※文献6を参考に作成

タンパク質たっぷりおすすめメニュー

ここでは、成人のタンパク質摂取の推奨量を目指した、タンパク質を上手に摂れるおすすめメニューを厳選してご紹介します。

バンバンジーと枝豆入りひじきと油揚げと豆腐のスープ

食欲があるときは、鶏むね肉や鶏ささみを蒸したものに、ネギなどの香味野菜を加えた濃厚ソースをかけたバンバンジーがおすすめです。
一緒にトマトやきゅうりなどの野菜を添えることが多いため、効率よくバランスの良い大皿メニューになります。

追加のタンパク質に枝豆や豆腐を意識しつつ、海藻類と組み合わせた献立にすると、お通じの悩みにも良いかもしれません。

鮭と小松菜の豆腐グラタンと鶏ささみのハーブ焼き

カロリーを控えめにしてタンパク質を摂りたい方には、鮭や豆腐を合わせたグラタンもおすすめです。表面にチーズをかける分、ホワイトソースを牛乳から豆乳に変えてみるとカロリーオフにもつながります。また、小松菜以外にも、グラタンに合いそうな野菜を加えることでよりバランスのよい1品になります。

また、追加で鶏ささみの副菜があると、推奨量のタンパク質を摂取できます。ハーブ焼きなどにして香りを添えることで、塩分などの調味料を減らすことが期待できます。

食べ物だけでは十分なタンパク質を摂取できないときは?

食欲が低下したり、体調を崩したりなどの場合、食べ物から十分にタンパク質を摂取することが難しいかもしれません。

そのような場合は、牛乳や飲むヨーグルト、液体の補助栄養食品などから必要なタンパク質をある程度補うことができます。

アミノ酸系のサプリメントもありますが、食事よりは含有量がかなり少ないことが懸念点です。栄養素の一時的な不足を補うためにサプリメントの摂取も検討してもよいかもしれません。

まとめ|タンパク質が多い食べ物とは?年齢別の目標摂取量やおすすめのメニューを紹介します

タンパク質は身体に必須な栄養素です。身体の構造や働きを保つため、必要な量をしっかり摂取することが大切になります。健康的な体型や肌の弾力を維持し、キレイに歳を重ねるためにも、十分なタンパク質を含んだバランスのよい食事を心がけましょう。

(参考文献)


1, 本田浩一,他:CKDガイドラインからみた食事療法.昭和医会誌.2010;70(2)126-130

2, 濵田康弘,他:各論 各種病態におけるエネルギー、基礎代謝の特徴と、至適エネルギー投与量(肝障害、腎障害).静脈経腸栄養.2009;24(5)1045-1051

3, 厚生労働省.「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書.1-2たんぱく質
[https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316462.pdf](最終閲覧日:2025年7月4日)

4, 荒井秀典:フレイル・サルコペニア. 日内会誌. 2018;107(12):2444-50.

5, 榎 博美:高齢者の低栄養予防.e-ヘルスネット
[https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-02-014](最終閲覧日:2025年7月4日)

6, 文部科学省:食品成分データベース.
[https://fooddb.mext.go.jp/](最終閲覧日:2025年7月4日)

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